2017.12.19
経営にウルトラCは滅多にありません。
一つ一つ理詰めで考え抜く、一つ一つ確実に行動に移す、都度調整しながら継続して積み上げていく…
この行為を粛々と続けていくことこそ王道です。
・理詰めで考える知力と、これを継続する知的胆力が必要です。
・確実に行動し続ける行動力と、これを継続する肉体的胆力が必要です。
・中々上手く行かないことに耐える耐力、これを継続する精神的胆力が必要です。
論理だけでは説ききれない世の中の事象を、それでも論理に置き換えて整理して考えていくしか方法はありません。論理を放棄して感覚や感情に依存した経営は、総じて上手く行かないように思います。
また、考えるという意味は、「ある瞬間に考える」ではなく、「一定期間継続して、繰り返し・繰り返し…、自分の頭と戦いながら思考を巡らす」と理解すべきです。
これが知的胆力です。
実を結ぶためには一定期間の積み上げが必要です。成果の出ない努力を相当期間積み上げることでのみ、果樹を手にすることができるように思います。
この「成果を伴わない努力」、この存在を肝に銘じておくべきです。
今日手にできた果実は、昨日の努力の成果でも、前月の努力の成果でもありません。
多分、半年から数年前の努力の成果、いや、3年前の努力の成果と考えるべきでしょう。
成果を出すためには時間を要します。「成果を伴わない努力」を惜しんで、次から次へと努力の対象を切り替える経営者も、総じて上手く行きません。
継続こそ成功のキーワードです。
これが肉体的胆力です。
狙ったターゲットが正しい場合でも、最初から上手く行くケースは稀です。
焦点が合っていないからです。この焦点を合わせる行為を「作り込み」と言います。
おいしい商品を開発できても、提供するサイズ・価格・デザイン・販売方法・販売チャネル・広告方法等々、それらの多くがジャストマッチした時にのみ、その商品はブレイクします。
これらを合わせる行為を「作り込み」と言います。
開発に手間暇をかけても、「作り込み」に掛ける手間暇を惜しんでいる会社様が多いように思います。
いきなりヒットすることは稀です。あきらめずにヒットする商品に仕上げるための「作り込み」を継続する胆力、これが精神的胆力です。
経営とは、江戸時代に中国の奥地の○○を目指す長い旅のようなものです。
存在自体が不確実なゴールに向かって、一歩ずつ歩みを続けて行かねばなりません。
日本から中国の奥地を目指すなら、まずは大陸に渡る手立てを考えます。
渡れる航路を求めて港に向かいます。そのためには、港に向かうための旅費が必要になります。大陸に渡っても、続く道の存在は不確実です。それでも渡ります。ゴールまでの旅費の算段が読めなくても、それでも一歩ずつ前に進みます。これらの過程では、様々なトラブルにも見舞われることでしょう。トラブルをできるだけ避けながら、遭遇したら解決しながら、不確実なゴールに向かって歩み続けます。この旅路にゴールは存在しません。
経営とは、ゴールではなく、そのプロセスそのものであるように思います。
知的胆力と肉体的胆力、そして精神的胆力を鍛えながら、
経営という長旅に共に挑んでいきましょう。楽しみながら。
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