2017.12.19
■食品加工業を営む某社の話です。
○極めてニッチなマーケットで一定のシェアを持っています。
ある事情で、競合他社が商品供給できない状況に陥りました。
急激に注文が増えて、翌年は40%の増収(売上増)になりました。
大変忙しい充実した一年であった?感覚で経営されていました。
○決算を締めてみたら、40%増収、粗利益率5%ダウン、
販管費20%増加、大幅赤字に転落しました。
頑張った一年が台無しです。
売上高・粗利益率・販管費の管理さえできていれば、こんなことにはなりません。
○急増する売上高に対応するために、原料仕入れを急ぎ、原価率を5%も上昇させてしまいました。同様に、
人員確保を急ぐあまり、過剰な人件費を発生させました。20%の増収、粗利益率維持、販管費を10%以下の
増加率に抑える作戦で経営に臨んでいれば、増収・増益の良い一年になったはずです。
○当該会社様には、売上高・粗利益率・販管費の数値目標を持っていただいた上で、月次管理を導入しました。
赤字転落した翌期は、減収(売上は昨年対比マイナス)、粗利益率は5%アップ、販管費は10%ダウンの計画を立案して、月次で管理を行っています。
○目標を持って行動し、成果を確認しながら進めて行けば、確実に結果は伴います。目標管理とは、この様な事を指します。
■売上を伸ばしてください。
売上が立たなければ事業は成立しません。売上は大変重要です。
一方、利益の伴わない売上は邪魔です。売上には、原価と経費が伴う事を忘れてはいけません。今日立った売上が、どのくらいの利益を伴ったのかを感覚で理解しながら、月単位では数値に置き換えて確認してください。
このコントロールが経営管理です。
売れば売るほど損する事業を営んでいる会社様も、決して少なくありません。
■粗利益率を下げないでください。
粗利益率を下げながら、大きな売上増を目指す経営もありますが、これは大変高度な経営手法です。一定以上の資金力と、高等な経営管理体制が伴っていなければ成功しません。お勧めしたくありません。
粗利益率は、絶対に下げない、できれば少しでも向上させる、この気持で経営してください。このコントロールが経営管理です。
■販管費は、粗利益額の増加分以上に増やさないでください。
大きな増収(売上アップ)の環境下では、増収から新たに生まれる粗利益額よりも大きな販管費を、固定費と
して抱えてしまうケースが少なくありません。増収が長期間続くのであれば吸収できますが、一過性のもので
あれば、収益構造を劣悪化してしまいます。
このコントロールが経営管理です。
■経営管理の必要性をご理解ください。
○経営管理は大きな会社のためのものではありません。
小さな会社にこそ、経営管理は必要です。細事にとらわれ過ぎず、売上高・粗利益率・販管費の三つだけで
かまいません。現状(過去)対比で、売上高・粗利益率・販管費の三つをどう推移させるのかの目標を決めて、結果を確認・修正しながら経営してください。
○数字がわからない社長こそ、経営管理が必要です。
数字に強い社長なら、売上高・粗利益率・販管費の推移を推測できるはずです。それでも、一定の規模を超えると誤差が大きくなります。試算表での確認を行い、軌道修正が必要です。一方、数字が読めない社長は、
まさにちんぷんかんぷんです。売上高の推移のみに気を取られているケースがほとんどです。
(上記事例の様に)数字に対する助言を求め、経営のかじ取りに生かしてください。
■売上高・粗利益率・販管費の三つを管理してください。
1.現状(過去)の売上高・粗利益率・販管費を確実に把握してください。
2.今後、この三つをどう作っていくのかを起案してください。
3.計画と実績の差を確認し、都度修正しながら経営してください。
最低限の経営管理を導入してください。
銀行融資プランナー協会正会員事務所である当事務所は、売上高・粗利益率・販管費の三つを使った、わかり
やすい計画立案とフォローの仕組みの導入を推進しています。
ご遠慮なく、早い目にご相談下さい。
○補助金・金融機関対応に関するご相談は、銀行融資プランナー協会正会員事務所である当事務所にて承って
おります。お気軽にご相談ください。
〇 本情報の信頼性の向上には最善を尽くしていますが、その正確性を保証するものではありません。